超漢字Vから想像する近い未来のアプリの形

超漢字Vが10月27日に発売するそうな。


超漢字について知らない人は、こちらを読むべし。純国産のOSです。

と紹介しておきながら、ぶっちゃけ超漢字自体はどうでもいい。注目したいのはその配布形態。
超漢字はOSなので、今まではインストールするには別マシンを用意するか、一台のマシンでOSを切り替えて利用する必要があったのを、超漢字Vからは VMware Player というエミュレータ上で動作させるようになる。
これにより、Windows を使いながら、その上のいちアプリとして超漢字が起動することになる。超漢字が扱える膨大な文字コードWindows 上からシームレス(かどうか知らんが)に使えるというのは、それはそれで意味のあることだと思う。


単純に考えると、わざわざエミュ上で動かすより、いっそのことアプリケーションとして実装したほうがいいんじゃないって考えもあるが(上記のスラッシュドットでも、そういったコメントがあった)、TRONベースゆえのスレッドモデルの違いや、超漢字が持つ独特のファイルシステムをいちアプリとして実装するのも難しいとは思う(ってコメントもスラッシュドットにあった)


さて、もうちょっと考えてみると、今後の形としてはやはり XEN で動かすようになるだろう。そうすれば Windows超漢字が、ある程度のオーバーヘッドがあるものの、ほぼネイティブスピードで同時に動くようになる(多分...)。


ところで XEN と言えば、サーバーの統合や古いOSを動かすための環境として考えられることが多いみたいだけど、こういった別OS上で開発されたアプリを、現在使ってるOSの上でいちアプリのように動かすためのインフラとして利用するというアイデアがもっと出てきていいと思ってる。
例えば Windows をメインに使いつつ、MacOS X の Finder でファイル管理をし、超漢字上のアプリで多言語を使ったテキストを印刷するってのも、理屈上できるはず。例えば Linux をメインに使いつつ、Windows にしか対応してない USB カメラとマイクを使って Skype で電話するってのもアリなはず。


もし、上記のような XEN の使い方がメジャーになってくれば、OS に求められるものに変化が出てくると思う。
今までは一つのOSでなんでも出来ることが求められてきた。つまり汎用OS。ただし汎用OSは色んなことがまんべんなく出来る変わりに、まんべんなく遅くて重い。


これが、XEN を使って、どのOS上で開発したとしても、別のOS上でのアプリのように動かすことができるようになると、今度は専用OSというのが求められてくると思う。例えばゲームなんかはゲーム開発に特化したOSで作って、Skype なんかはデバイスドライバ開発に特化したOSでUSBマイク・カメラのドライバとともに作って、テキストエディタなんかはとにかく軽いOSで作る、とかね。
専用OSに求められるのは、とにかく軽くてさくさく動いてくれることだろうし、とにかく何かに特化したOSであれば、個人でも作ることは可能なので、今以上にOS開発というのがメジャーになってくる。。。わけないかなぁ。。。